ギャップにときめき
今日、わたしのクラスに転校生がやってきた。それも、わたしの後ろの席に。そんな転校生の彼は、とんでもないバカだったようだ。
「#name2#ッ!あんた数学の勉強してきた?」
1限目は数学。隣の席の友人が(笹川君とは反対のだよ!)切羽詰まった様子で聞いてくる。
「数学の勉強?あれ、今日って何かあったっけ」
「小テストだよ!赤点取ったら補習じゃんあれ…。どうしよう、今日彼氏とデートなのに…」
「ああっ、そうだった!わたしも全然勉強してないよ、どうしよう苦手なところなのに!」
あわてたところで既に遅く、前のドアが開いたと思えば数学教師が入ってくるところだった。教科書を見返してみるが、理数系がもっぱら苦手な#name2#に短時間での理解が出来ることはなかった。
(…青葉君って、頭良さそうだな。でもいきなり教えてなんて言えないよね…)
自己紹介のときとは打って変わって静かな後ろの席を振り返ることも出来ずに#name2#はテストに挑んだ。
テストも終わり(#name2#は補習の覚悟は出来ていた)迎えた昼休み。いつものように笹川君はお弁当を高速で食べ終わるとボクシングの練習に走って行ったようだ。母親の作った弁当を取り出すと、友達同士輪を作って話に花を咲かせる。
「青葉君、どこに行ったのかな」
昼休みになるとどこかに行ってしまった転校生の彼を気にして#name2#がつぶやいた。
「同じ学校から来た人と一緒にいるんじゃない?ほら、7人もいるんだし」
「そっか、そうだよね」
どうして気になるのかわからなかったが、転校生だから心配していたのだろうと#name2#は自分を納得させた。昼休みのうちに数学の補習の名簿が貼られたが、どうせ自分の名前が載っていることがわかっていた#name2#はあえて見ずに放課後を迎えた。
****
「…あれ…、青葉君も補習なの?」
全く予想していなかった人物がHRを終えた教室に残っていた。なんだかんだクラスの4分の1くらいは補習なのだから、結構厳しい先生だと思うが、受験生なのだから仕方ない。しかし(見た目)ガリ勉な転校生が残っているなどと、誰が予想しただろうか。
いや、実際ほとんどの人が予想しただろう。なぜなら紅葉は授業という授業すべて机に突っ伏して寝ていたからだ。紅葉よりも前の席の#name2#は全く気付かなかったが。それ故静かだったということも。
「ああ、結局僕も補習だ。#name1#もか!」
「そっか!わたし、数学苦手なんだよね…。頑張ろうね!」
朝以来の会話がなぜか#name2#の心を弾ませた。青葉君、数学苦手なんだ、なんて思っている#name2#の横で、了平が唸りだした。
「ぬおお!!極限に難しい問題だ!!」
「結局バカが頑張っても無駄だと思うがな並中ボクシング部主将よ」
「…え?笹川君?青葉君?」
了平が騒ぎ出すのはいつものことだったが、それに紅葉が突っかかるのに#name2#はびっくりした。
(ていうか、笹川君がボクシング部だって知ってたんだ!)
「だが、これを片付けねば極限に部活には行けぬのだ…」
「結局同じボクシングを愛する者として同情はしてやるが…この問題の難易度は結局バカには解けんよ」
紅葉は黒いグローブを出して言う。
(青葉君、ボクシングやるんだ!だから笹川君のことも知ってたのね)
「ぬっ!!何なのだ貴様は!!赤点取って一緒に補習を受けている貴様もバカじゃないのか!?#name1#!お前も極限言ってやれ!!」
「えぇ!?わたし?いや、それだとわたしもバカってことになるんじゃ…」
「なにをっ!!?」
「聞いてないし…」
#name2#の隣と後ろ、こんなにも近くで大声で怒鳴り合う二人を静めようと#name2#も席を立つ。バキッと鉛筆の折れる音と同時に紅葉が思い切り叫んだ。
「僕をお前ごとき真性バカと一緒にしてくれるな!!少なくとも僕は己のことをバカだとキチンと自覚している御バカ様だ!!」
「…ん?誰だ貴様は?」
ここでやっと紅葉の存在に気付いた了平。彼はボクシング以外のことには全く疎いのだ。
「朝のHRからずっと居たであろうが!!結局僕こそがボクシング界期待のホープ、青葉紅葉!!」
「聞いてなかったの?笹川君」
「俺は知らんぞ。しかし、…あおば…こうよう…?ぷっ…。ドワハハハッ!春の真っ青な青葉に秋の紅い紅葉とは極限に矛盾した名だな!!」
「生まれてこのかた何万回も言われたことを!!結局同じ”葉”であろうがこのドアホウ!!」
「ぬっ、アホではない!!俺は極限に笹川了平だ!!」
「文句があるならグローブをはめて表へ出ろ!!」
「ちょっと、落ち着いてよ二人とも!」
「面白い!うけて立つぞ!!」
#name2#の制止など全く耳に入っていない二人はそのままグローブ片手に教室を出て行こうとした。周りの生徒たちは呆れかえってかかわらないようにしている。すると、二人同時に振り返った。
「「#name1#!!」」
「は、はいッ!!」
まさかここで自分が呼ばれるとは思っていなかった#name2#は、体をこわばらせて固まった。二人の迫力に押されて少し後ろに後ずさる。
「お前は極限勝負を見届けろ!」
「結局勝つのは僕の方だがな!!」
「え、なんでわたしが、ちょ…!」
二人に半ば引きずられるように#name2#は廊下へと連れて行かれた。かすかな期待を込めて視線を教師に送っても決して#name2#と目を合わせることはなかった。
(絶対、先生めんどくさがってるよ!)
廊下で暴れてはいけません、なんて今更すぎて言う気にもなれない#name2#は、安全なところに座って二人の勝負を見守った。どうせ何もすることもないのだからとぼんやりと二人を眺めていた#name2#の頭に残っているのは、紅葉の不敵な笑み。
最初の印象は真面目。次はちょっとおバカ。そして、今は熱い人。(ちょっとドキッとしたのは、内緒なんだから)
「#name2#ッ!あんた数学の勉強してきた?」
1限目は数学。隣の席の友人が(笹川君とは反対のだよ!)切羽詰まった様子で聞いてくる。
「数学の勉強?あれ、今日って何かあったっけ」
「小テストだよ!赤点取ったら補習じゃんあれ…。どうしよう、今日彼氏とデートなのに…」
「ああっ、そうだった!わたしも全然勉強してないよ、どうしよう苦手なところなのに!」
あわてたところで既に遅く、前のドアが開いたと思えば数学教師が入ってくるところだった。教科書を見返してみるが、理数系がもっぱら苦手な#name2#に短時間での理解が出来ることはなかった。
(…青葉君って、頭良さそうだな。でもいきなり教えてなんて言えないよね…)
自己紹介のときとは打って変わって静かな後ろの席を振り返ることも出来ずに#name2#はテストに挑んだ。
テストも終わり(#name2#は補習の覚悟は出来ていた)迎えた昼休み。いつものように笹川君はお弁当を高速で食べ終わるとボクシングの練習に走って行ったようだ。母親の作った弁当を取り出すと、友達同士輪を作って話に花を咲かせる。
「青葉君、どこに行ったのかな」
昼休みになるとどこかに行ってしまった転校生の彼を気にして#name2#がつぶやいた。
「同じ学校から来た人と一緒にいるんじゃない?ほら、7人もいるんだし」
「そっか、そうだよね」
どうして気になるのかわからなかったが、転校生だから心配していたのだろうと#name2#は自分を納得させた。昼休みのうちに数学の補習の名簿が貼られたが、どうせ自分の名前が載っていることがわかっていた#name2#はあえて見ずに放課後を迎えた。
****
「…あれ…、青葉君も補習なの?」
全く予想していなかった人物がHRを終えた教室に残っていた。なんだかんだクラスの4分の1くらいは補習なのだから、結構厳しい先生だと思うが、受験生なのだから仕方ない。しかし(見た目)ガリ勉な転校生が残っているなどと、誰が予想しただろうか。
いや、実際ほとんどの人が予想しただろう。なぜなら紅葉は授業という授業すべて机に突っ伏して寝ていたからだ。紅葉よりも前の席の#name2#は全く気付かなかったが。それ故静かだったということも。
「ああ、結局僕も補習だ。#name1#もか!」
「そっか!わたし、数学苦手なんだよね…。頑張ろうね!」
朝以来の会話がなぜか#name2#の心を弾ませた。青葉君、数学苦手なんだ、なんて思っている#name2#の横で、了平が唸りだした。
「ぬおお!!極限に難しい問題だ!!」
「結局バカが頑張っても無駄だと思うがな並中ボクシング部主将よ」
「…え?笹川君?青葉君?」
了平が騒ぎ出すのはいつものことだったが、それに紅葉が突っかかるのに#name2#はびっくりした。
(ていうか、笹川君がボクシング部だって知ってたんだ!)
「だが、これを片付けねば極限に部活には行けぬのだ…」
「結局同じボクシングを愛する者として同情はしてやるが…この問題の難易度は結局バカには解けんよ」
紅葉は黒いグローブを出して言う。
(青葉君、ボクシングやるんだ!だから笹川君のことも知ってたのね)
「ぬっ!!何なのだ貴様は!!赤点取って一緒に補習を受けている貴様もバカじゃないのか!?#name1#!お前も極限言ってやれ!!」
「えぇ!?わたし?いや、それだとわたしもバカってことになるんじゃ…」
「なにをっ!!?」
「聞いてないし…」
#name2#の隣と後ろ、こんなにも近くで大声で怒鳴り合う二人を静めようと#name2#も席を立つ。バキッと鉛筆の折れる音と同時に紅葉が思い切り叫んだ。
「僕をお前ごとき真性バカと一緒にしてくれるな!!少なくとも僕は己のことをバカだとキチンと自覚している御バカ様だ!!」
「…ん?誰だ貴様は?」
ここでやっと紅葉の存在に気付いた了平。彼はボクシング以外のことには全く疎いのだ。
「朝のHRからずっと居たであろうが!!結局僕こそがボクシング界期待のホープ、青葉紅葉!!」
「聞いてなかったの?笹川君」
「俺は知らんぞ。しかし、…あおば…こうよう…?ぷっ…。ドワハハハッ!春の真っ青な青葉に秋の紅い紅葉とは極限に矛盾した名だな!!」
「生まれてこのかた何万回も言われたことを!!結局同じ”葉”であろうがこのドアホウ!!」
「ぬっ、アホではない!!俺は極限に笹川了平だ!!」
「文句があるならグローブをはめて表へ出ろ!!」
「ちょっと、落ち着いてよ二人とも!」
「面白い!うけて立つぞ!!」
#name2#の制止など全く耳に入っていない二人はそのままグローブ片手に教室を出て行こうとした。周りの生徒たちは呆れかえってかかわらないようにしている。すると、二人同時に振り返った。
「「#name1#!!」」
「は、はいッ!!」
まさかここで自分が呼ばれるとは思っていなかった#name2#は、体をこわばらせて固まった。二人の迫力に押されて少し後ろに後ずさる。
「お前は極限勝負を見届けろ!」
「結局勝つのは僕の方だがな!!」
「え、なんでわたしが、ちょ…!」
二人に半ば引きずられるように#name2#は廊下へと連れて行かれた。かすかな期待を込めて視線を教師に送っても決して#name2#と目を合わせることはなかった。
(絶対、先生めんどくさがってるよ!)
廊下で暴れてはいけません、なんて今更すぎて言う気にもなれない#name2#は、安全なところに座って二人の勝負を見守った。どうせ何もすることもないのだからとぼんやりと二人を眺めていた#name2#の頭に残っているのは、紅葉の不敵な笑み。
最初の印象は真面目。次はちょっとおバカ。そして、今は熱い人。(ちょっとドキッとしたのは、内緒なんだから)