05


「明日のゲーム本番まで、皆様にはこちらに宿泊していただきます」


エリーが参加者にそう告げると、参加者達はざわつき始めた。


「なお、どうしてもと仰る方は、ネームプレートを置いてお帰り下さい。ゲームを放棄したものとみなし、2回戦敗退が決定いたします」


その言葉に、全員押し黙った。


「お分かりですね?」


疑問文のはずなのに、逆らわせない威圧感があった。


(エリーさんすごい!皆だまっちゃいました)


広間の扉が開くと、皆それぞれ出て行った。


秋山は#name2#を自分の部屋へと連れて行った。


「深一さん、どうしたんですか?作戦タイムですかね」


#name2#がそう言うと、秋山は眉間にしわを寄せて#name2#に詰め寄った。


「わ、ど、どうしたんですか!?怖い顔して…」

「#name2#、どうしてこんなところにいるんだ?」


そう、秋山は最初に会ったときは再会に感動していたため(顔には出さないが)その疑問に気付かなかったのだ。


「…っとですね、それにはふかーい事情がありまして…」

「話せ。最初から、全部だ」


有無を言わせない物言いに#name2#はため息をつきながら話し出した。





****





「……て、いうことなんです」

「そうか…#name3#さんが…。#name2#俺も協力する。#name3#さんを絶対助けるぞ」

「…ありがとうございます!深一さんが一緒だと心強いです!」


すると、秋山は何か考え込むような仕草を見せた。


「深一さん?どうしたんですか?」

「じゃあ、#name2#、お前は2年間一人だったのか…?」


秋山はほんの16歳の少女が家族を失ってしまったことを思い、もっと早くに会いに行かなかったことを後悔した。


「…平気、です…。だって、今はもう深一さんがいてくれるから一人じゃないでしょう?」


そう笑顔で言う#name2#の頭を優しく撫でた。


「(…悪かった…)」

「…さ、深一さん!今回のゲームの作戦を考えましょう!まずは情報収集から行きますか?」

「そうだな」


二人は広間へと向かった。





****






ほとんどの参加者がまた広間へと戻ってきていた。


「皆きっと不安なんですね。直さんは来てないみたいだけど」

「だろうな、あいつもそのうち来るだろう」


とりあえず、周りの様子をうかがうために端のソファに座ることにした。

しばらく他の参加者を観察していたが、皆あまり動こうとしないため、が他の人に話しかけるために立ち上がろうとしたとき、扉が開いた。

入ってきたのは直だった。秋山と#name2#の姿を見つけて、こちらに向かってきた。


「…秋山さん、#name2#ちゃん」

「直さん。眠れないんですか?」


#name2#がそう声をかけると、直は俯いた。


「私…ゲームに勝つ方法を考えてたんだけど……」

「何も浮かばなくて一人でいるのが怖くなった」


秋山が直の言葉を遮ってつづけた。


「…はい…」

「だろうな」

「大丈夫ですよ、皆そうなんです」


その言葉を聞いて直は少し安心したようだった。


「…二人も?」


秋山と#name2#はその言葉に答えずに直を手招きする。

直がソファに座ったのを確認すると秋山が答える。


「俺達は、人間観察」

「人間観察?」

「勝つためにはまず、敵を知ることが大切です。他のプレーヤーがここに来た経緯、何を考えているか、とにかく情報を集めます」


その#name2#の言葉に直はよくわからない、というように首をかしげる。


「勝ちたいんだろ?」


しかし、秋山のその言葉にうなずいた。


「じゃあ、協力して情報収集しましょう!」


そういうと#name2#は他のプレーヤーのところへ話に行った。

動こうとしない直に秋山が目で行けと言う。


「(秋山さん、絶対#name2#ちゃんと私の扱いが違います!)」


直は心の中で秋山に悪態をつくと、近くのプレーヤーに話しかける。


「…あの・・・」


恐る恐る話しかけると、睨まれてしまった。


「…!何でも、ありません!」


申し訳なさそうに秋山を振り返ると、秋山は違う方を指差した。意図を理解した直はそっちの方に行った。


「(世話のかかるやつだ。#name2#はどこいったんだ)」





****






「あ、エトウさん!」

「お、#name2#ちゃん」


#name2#はエトウに話しかけるために二人の傍を離れたのだ。


「あ、さっきはごめんなさい。見苦しいところを見せてしまって…」

「全然、それよりもう平気なの?あの男、誰だか知らないけど女の子を泣かせるなんて!」


その言われように不機嫌そうにする秋山を想像して#name2#は笑ってしまった。


「あはは、エトウさんっておもしろいんですね!」


周りの重い雰囲気に似合わず、笑い声をあげると、他のプレーヤーも少し緊張がほぐれたようだった。#name2#は当初の目的を思い出し、エトウにゲーム参加の理由を聞いた。


「2回戦も1回戦みたいに簡単に稼げると思ってさ。…負けたら1億とか最悪だよな…。なんかやばい組織っぽいし、下手したら売り飛ばされちゃったりして?#name2#ちゃん、可愛いんだから気を付けなよ」

「…それは気をつけないと危ないですね。あ、じゃあ私そろそろ深一さんのところに行きます!」

「えっ?…そっか、またね、#name2#ちゃん」

「はい!頑張りましょうね、エトウさん」


#name2#が秋山のところに戻ると、直もちょうど大体のプレーヤーに聞き込みをしたようで、戻ってきたところだった。


「…もともと、生活に困ってた人が多いみたいです。それでつい、ライアーゲームに参加しちゃったって…。1回戦で獲得した賞金は、数百万ていう人がほとんどみたいです」

(えっ、そうだったんだ、直さんはいくら獲得したんだろう?)

「…#name2#、お前はいくら獲得したんだ?」

「私ですか?一応1億円ですけど…。全く手をつけてないんですけどね」

「やっぱり、#name2#なら一人でもやるだろうと思ったよ」

「えっ、#name2#ちゃんってそんなにすごいの?」

「…嫌だなぁ、そんなことありませんよ。本当に精一杯でした」

「…で、他には?」


直の話によると、皆それぞれ仕方なく2回戦に参加しているらしい。


「負けたら、売られるんじゃないかって言ってる人もいましたよ」

「えっ?わ、私…怖くなってきた…」

「大丈夫だ」


秋山は自信たっぷりに断言した。


「このゲームには、“必勝法”がある」


(深一さん、かっこいい!)(……)((あ、秋山さん照れてる))


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